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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

始めに

対加害者任意保険会社用交通事故事件訴状前半改訂版

○直接請求約款3号に基づく保険会社への直接請求では加害者本人に請求権を行使しないことが条件です。従って、加害者本人には請求をしないで、保険会社のみを相手に訴えを提起していました。ところが、「謹告!約款6条②(3)での保険会社への直接請求訴訟に黄色信号」記載の通り、加害者本人に請求しないために加害者本人対する請求権について、突如、消滅時効を主張され、平成25年10月11日仙台地裁判決(自保ジャーナル・第1920号)は、加害者に対する請求を消滅時効を理由に棄却しました。

○この平成25年10月11日仙台地裁判決に対し控訴したところ、さらに「驚愕の約款3号直接請求否定平成26年3月28日仙台高裁判決まとめ1」記載の通り、同判決は、なんと、直接請求約款3号に基づく請求自体を否認しました。そこで、直ぐに上告受理申立をして、3万1200字に及ぶ平成26年5月27日付上告受理申立理由書を最高裁に提出しています。最高裁の受理申立却下は、通常、3~5ヶ月で届きますが、まもなく9ヶ月経過するところ、最高裁から何らの連絡がありません。そこで弁論再開を大いに期待しているところです。

○しかし、この事件についての最高裁の結論が出るまでは、お客様に迷惑をかけられませんので、驚愕の平成26年3月28日仙台高裁判決の後は、念のため保険会社だけでなく、加害者・被保険者も相手にして訴えを提起することを原則としています。保険会社への直接請求は、約款1号の「判決確定」を条件とするのが一般的でしたが、私はあくまで3号にこだわります(^^;)。

○希に、対保険会社への直接請求訴状書式についてご質問メールを頂いております。私は、現在は、以下の書式で保険会社のみならず加害者本人も被告にしています。最高裁で私の主張が認められたら従前の形式に戻します。直接請求3号約款に基づく対保険会社直接請求を考えている方は、以下の書式をご参考にして下さい。

○なお、トップページに「データ内容は独断と偏見に満ちて正確性に欠ける」ことを宣言しています。当HPデータを利用される方は、私の記述を鵜呑みにすることなく、あくまで参考として、自己責任で利用されるようお願い申し上げます。

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請求の趣旨
1 被告○○保険株式会社は、原告に対し、原告が被告A(※被保険者・加害者)に対する損害賠償請求権を行使しないことを訴外Aに対し書面で承諾することを条件に、金万円(※元本+確定損害金)及び内金万円(元本額)これに対する平成年月日(※最後の支払日の翌日)から支払済みまで年5分による金員を支払え。
2 被告A(※被保険者・加害者)は原告に対し、連帯して金万円及び内金円に対する平成年月日から支払済みまで年5分による金員を支払え。
3 被告△△保険株式会社(※自賠責保険会社)は原告に対し、金万円(※自賠責保険金限度額)を支払え。
4 訴訟費用は被告らの負担とする。
5 仮執行宣言

請求の原因
1 事故の発生

 原告らは、次の交通事故により、負傷した(甲1事故証明書)。
(1)発生日時  平成年月日午前後時分ころ
(2)発生場所  県郡市町丁目番地 道
(3)加害車両  普通乗用自動車(登録番号)
(4)上記運転者 被告A
(5)被害者or車両  原告or普通乗用自動車(登録番号)
(6)上記運転者 原告
(7)事故の態様
 原告は、被害車両を運転して○○方面に向かって進行していたところ、突然、加害者運転車両が○して、○衝突した。

2 被告Aの責任
 被告Aは、平成年月日午前時分ころ、業務として加害車両を運転していたが、
‥‥すべき注意義務があるところこれを怠り、
‥‥することなく、○して被害車両に○衝突させた重大な過失があるので、自賠法3条及び民法709条により原告に生じた損害を賠償すべき責任がある(甲1)。
 尚、過失割合については争いがないor被告は原告も○%の過失があると主張するが原告の過失はない。

3 被告○○の任意保険会社としての責任
(1)自動車総合保険契約の成立

 被告○○保険株式会社(以下、被告○○と言う)は、遅くても平成年月日までに、保険者被告○○、被保険者被告A、保険期間を保険契約締結日から1年間とし、加害車の所有、使用又は管理に起因して他人の生命又は身体を害すること(以下、対人事故という)により、被告Aが法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して保険金を支払う旨の対人賠償責任条項を含む自動車総合保険契約を自動車総合保険普通保険約款(以下、約款という)により締結した。

(2)原告の被告○○に対する直接請求約款
 上記約款には、以下の条項がある。
①対人事故によって被告Aの負担する法律上の賠償責任が発生した場合は、損害賠償請求権者は、被告○○が被告Aに対して支払責任を負う限度において、被告に対し被告Aが損害賠償請求権者に対して負担する法律上の損害賠償責任の額から自賠責保険等によって支払われる金額を差し引いた額を請求することが出来ること、
②損害賠償請求権者が被告Aに対する損害賠償請求権を行使しないことを被告Aに対し書面で承諾した場合は、被告が①の金額を損害賠償請求権者に対して直接支払うこと

(3)被告○○の支払義務
 したがって、被告○○は原告に対して、原告が被告A(※被保険者・加害者)に対する損害賠償請求権を行使しないことを被告Aに対し書面で承諾することを条件に、直接、被告Aが負担する次項以下の損害賠償金支払義務を負う。

4 被告△△の自賠責保険会社としての責任
 被告Aは、被告△△保険株式会社(以下、被告△△と言う)との間で、本件加害車両について遅くても平成年月日以前に自動車損害賠償責任保険契約を締結していた。
 よって被告△△は原告に対し、自動車損害賠償保障法第16条に基づき同法所定の自賠責保険金額限度内において、本件事故によって生じた人身損害についての賠償義務を負う。
 上記の通り本件事故により原告は少なくとも後遺障害第○級相当の後遺障害を残したので後遺障害保険金は金○万円であり、被告△△は原告に対し金○万円の自賠責保険金支払義務を負う。
(以下、省略)