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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

その他交通事故

判例タイムズ2011/07/01号交通事故訴訟実務座談会紹介

○平成23年7月1日判例タイムズ1346号に交通損害賠償における実務の現状と題する交通事故訴訟担当現役裁判官6名の座談会記事が掲載されていました。以下、その備忘録です。
開催日は平成23年2月25日(土)
出席裁判官は、東京地裁民事第27部統括判事、同判事、名古屋地裁民事第3部統括判事、同判事
前大阪地裁第15民事部統括判事、同判事の6名

●各庁における交通事件訴訟の動向
東京地裁は、平成22年新受件数は1485件で10年前の1.5倍、求償金請求が15%程度、簡裁第一審控訴事件増加、和解終結率は70%程度
大阪地裁は、平成22年新受件数は1091件で5年前の2割増し以上、和解終結率は60%程度
名古屋地裁は、平成22年429件で5年前の3割増し以上、求償金請求も増えている、和解終結率は50%前後
※訴訟事件が増加中は全国的傾向と思われます。

●訴状・被告の選択等
事故当事者、その使用者もしくは事故車両運行供用者を被告とするのが一般的、希に任意保険会社を被告とする事案があるが裁判管轄の便法としている例が多い、
※残念ながら、加害当事者に請求権不行使の意思表示をして保険会社だけを被告とする私のやり方は全く話題になってません。私はこれが交通事故訴訟のあるべき姿と確信しているのですが、全国的には殆ど例がないようです。
自賠法運行供用者責任は人損だけなのに物損までいっしょくたに請求する例があるので要注意

●治療継続中の訴え
時効中断のための訴え提起が多い

●後遺障害がある場合、自賠責認定等級
殆どの事案は訴え提起前に自賠責事前認定を受けている
認定を受けていない例も希にあるが、問題点・争点明確化の手がかりとするため認定を受けることを勧める例も多い。
損害保険料率算出機構本部の公式見解は訴訟継続中でも留保せず認定を行う
東京地裁では認定を受けていない場合は認定を受けることを勧めるが、異議申立まで促すことはないが、大阪地裁では異議の申立を勧めた例はある。
※一般に訴訟継続中の異議申立には応じないと言われていますが、私の扱った例では、簡単に却下できる事案は応じて却下し、難しい事案は訴訟継続を理由に断ってくる例がありました。

●訴訟前の交渉経過等
裁判所での和解案検討に有益材料になるので、訴訟提起前の保険会社提案示談案を書証等で提出してもらっている。
被告側(実質保険会社)からは訴訟前保険会社提案を既得権のように思われては困るとの考えがあるようだが、裁判所としても拘束されるものではない。
※当事務所訴状は、保険会社提案がある場合、原告・被告主張対比表として判りやすく表化したものを添付しています。

●書証の引用と添付
相手が争うことが予想されるものは、最初から主張の根拠と証拠を適切に提出して頂きたい。
※当然の要請で、当事務所では、訴状段階で出来る限り、被告主張金額も併記して争いある部分にはその時点で存在する証拠を全て提出するようにしています。