○「
民法第766条の平成23年6月改正備忘録2」に読売新聞 9月10日(月)14時32分配信ニュースとして「
4月施行の改正民法で、子どものいる夫婦が離婚する際、養育費や親子の面会交流について取り決めるよう定められたのに、6月までの3か月間で取り決めたのは全体の半数に満たなかったことが、法務省の初の集計で分かった。取り決めがなくても離婚届は受理されるため、改正の実効性は当初から疑問視されていたが、当事者だけで調整する難しさが改めて浮き彫りになった。」との記事を紹介していました。
○以下の読売新聞 8月19日(月)6時39分配信ニュースでも、法務省の平成24年4月から1年間の調査結果で、「
未成年の子がいる離婚した夫婦のうち、別居した親子の面会方法や、養育費の分担について離婚時に決めていたのは全体の半数強にとどまった」と報告されています。離婚時に養育費と親子面会交流についてキチンと定めるべきとする改正民法の施行は、後記民法等の一部を改正する法律記載の通り、平成23年6月3日でした。
○この法律施行されて2年以上経過していますが、この離婚時の養育費・親子面会交流について定めていない例が半分近くあるということは、改正法が殆ど目的を達していないことを示しています。平成24年4月から1年間の未成年の子がいる夫婦の離婚届の提出は13万1254件だったそうですが、そのうち弁護士等専門家が関与したケースがどの程度だったのか知りたいところです。弁護士等専門家が関与した場合、養育費・親子面会交流の規定を入れた協議書を作成するのが普通だからです。
○養育費・親子面会交流が問題になる離婚届出件数が、年間約13万件もあるということは、弁護士が関与する仕事の領域がこれだけあるとも評価出来ます。20年数年前に交通事故紛争処理センターで嘱託弁護士をしていたとき、保険会社側示談担当員に交通事故事件で弁護士が関与する割合を聞いたところ、弁護士以外の専門家含めて第三者関与率は100件の内5件もないと聞いたことがあります。現在は多くの弁護士が交通事故事件開拓に力を入れていますので、関与率は高くなっているはずです。
○離婚事件についてもHPを見ると多くの弁護士が開拓に力を入れていますが、まだ関与率は低いとも思われます。当事務所でも男女問題事件関与率は年間10数件止まりです。特に離婚事件は、費用の関係もあり相談で止めて先ず本人での調停申立を勧める例が多かったのですが、法律扶助協会利用等費用を工夫して弁護士が関与すべきかと思った次第です。
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離婚時に養育費合意56%・「親子面会」55%
読売新聞 8月19日(月)6時39分配信
未成年の子がいる離婚した夫婦のうち、別居した親子の面会方法や、養育費の分担について離婚時に決めていたのは全体の半数強にとどまったことが分かった。
法務省が、改正民法が施行された2012年4月から1年間の結果をまとめた。改正民法766条は、面会方法や養育費の分担を離婚時に決めるよう求めているが、浸透していない現状が浮き彫りになった。専門家からは国や自治体の支援態勢が不十分だとの指摘が出ている。
日本では夫婦の合意があれば離婚できる「協議離婚」が全体の9割を占めるとされている。調停などによる離婚と異なり、協議離婚では細かな条件を定めないことが多く、別居した親が子どもに会えなかったり、養育費の負担を巡ってトラブルになったりしている。民法改正は子どもの権利を守る観点から行われたが、取り決めがなくても離婚届は受理される。
法務省は改正法の施行にあわせて、離婚届の書式を一部変更し、未成年の子どもがいる場合は面会や交流と養育費の分担について、「取り決めをしている」「まだ決めていない」のいずれかをチェックしてもらうようにした。
法務省の調査によると、昨年4月からの1年間で、未成年の子がいる夫婦の離婚届の提出は13万1254件あったが、面会や交流の方法を決めたのは7万2770件(55%)、養育費の分担を取り決め済みだったのは7万3002件(56%)だった。
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民法等の一部を改正する法律 平成23・6・3・法律 61号
改正平成23・4・4・法律 16号−−(施行=平23年6月3日)
(民法の一部改正)第1条 民法(明治29年法律第89号)の一部を次のように改正する。
第766条第1項中
「その他」を「、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の」に改め、
同項後段を次のように改める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。
第766条第3項中
「前2項」を「前3項」に改め、
同項を同条第4項とし、
同条第2項中
「子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の監護をすべき者」を「家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前2項の規定による定め」に改め、
「その他」の下に「子の」を加え、
同項を同条第3項とし、
同条第1項の次に次の1項を加える。
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、同項の事項を定める。