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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

交通事故重要判例

交通事故による傷害としての半月板損傷に関連する裁判例紹介

○交通事故の側面衝突で、左膝を強打して、半月板損傷と診断され、手術を受けた後も疼痛が残り、歩行等に支障をきたしている事案についての相談がありました。先ず半月板損傷についての裁判例を調べてみました。参考になりそうなものとして、以下の事例を紹介します。

なお、半月板損傷についての素人向け解説で分かりやすい例は、深田法律事務所大分交通事故無料相談の「半月板損傷の解説と後遺障害等級 」があります。このサイトの後遺障害に関する解説は、良く出来ています。


平成15年9月10日東京地裁判決(自動車保険ジャーナル・第1547号)
右膝半月板損傷から12級後遺障害を残した49歳男子造園業手伝いの逸失利益をこれまでの業務が「肉体作業に従事してきた」が、「長時間の歩行にすら支障を来して」いる等年齢、具体的稼働状況等から、10年間25%の労働能力喪失で認定した。

昭和62年8月27日東京地裁判決(交民集20巻4号1077頁)
56歳男子大工が事故で左膝靭帯損傷・半月板損傷等で、12級7号相当の恒久的に膝関節の固定装具の着用が必要な障害を残す事案につき、センサス平均を基礎に11年間、労働能力が20%喪失したものとライプ式で中間利息を控除し逸失利益を認めた事例。

平成18年8月31日大阪地裁判決(自動車保険ジャーナル・第1699号)
21歳女子看護師が左膝半月板損傷により、筋萎縮を伴う12級12号後遺障害を残し、3年後退職している事案につき、現在週1、2回の訪問看護に従事している等、賃金センサス女子看護師平均を基礎に10年間17%、以降67歳まで14%の労働能力喪失で後遺障害逸失利益を認めた。

平成21年7月15日東京地裁判決(自保ジャーナル・第1816号)
自営の内装業を廃業後、職人稼働までバイク配送員アルバイトする33歳男性の受傷で、自営中の申告額も年100万円以下、バイク配送員収入も129万円余であることから、休業損害、後遺障害逸失利益はセンサス同年齢「年収の半額である242万」円余を基礎に認定した。

平成24年2月27日大阪地裁判決(自保ジャーナル・第1880号)
12級半月板損傷を残す27歳男子リハビリ補助者(後日柔道整復師資格取得)の後遺障害逸失利益につき、柔道整復師資格を取得し収入を得る場合に収入面等での不利益に結びつくとして、センサス男子全年齢平均を基礎に67歳まで10%の喪失率で認めた。


平成21年2月27日判決名古屋地裁(自動車保険ジャーナル・第1804号)
44歳男子バス運転手Xが右足挫滅創等負った事案で、右足をかばって歩くなどしたことから、右膝に負担がかかり、右膝半月板損傷が生じるに至ったとして、自賠14級認定も労働能力14%喪失として後遺症逸失利益を認めた。

平成4年6月30日京都地裁判決(自保ジャーナル・判例レポート第106号-No,12)
左膝挫傷、頸椎捻挫等で6年2月間で入通院を繰り返し、4回の半月板手術を行なう土木関係業職員の事案で、自賠責非該当ではあるも、階段昇降、和式トイレに不便を感じ、症状固定まで6年余を要していること等から、実収入を基礎に5年間5%の労働能力喪失をライプ式で算定。

平成9年5月28日東京地裁判決(交民集30巻3号778頁)
自賠責認定では非該当であるも、他覚的所見のある右足関節外側靭帯断裂及び右膝内側半月板損傷による右下肢の疼痛等の障害が認められる30歳被害者に14%喪失で逸失利益を認定した。