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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

その他交通事故

”高額請求問題で仲裁機関−弁護士保険巡り日弁連が設置検討”に疑問

○当事務所は、交通事故事件は被害側専門ですが、最近受任する事件は、10件の内8件は、弁護士費用特約がついており、これを利用するとの申出を受けます。私は、弁護士費用特約を利用するのは、お客様としては当然のことですが、それはお客さまと保険会社の関係であり、弁護士は基本的には無関係であり、お客さまは、当職に依頼される場合、当職への依頼について保険会社の同意を得ておいて下さい、それにより事件が終了して当職に報酬を支払い、当職作成受領書を保険会社に示して所定の弁護士費用特約保険金を請求すれば限度額300万円の範囲で保険金を支払って頂けますと、説明しております。依頼する弁護士が小松亀一弁護士だからといって保険会社が同意をしないことは先ずないはずですとも付け加えます(^^;)。

○今般、以下の、「高額請求問題で仲裁機関 弁護士保険巡り日弁連が設置検討」と言う記事を見て大いに違和感を感じました。弁護士が直接、保険会社に弁護士費用を請求することを前提としているように読めたからです。弁護士費用特約の約款をネット上で探してみましたが、概ね、保険金請求権者はあくまで保険契約をしたお客さまであり、弁護士が請求できるとの記載は見当たりません。

第2条(この特約の補償内容)
@当会社は、被保険者が日本国内において発生した次の各号のいずれかに該当する急激かつ偶然な外来の事故(以下「対象事故」といいます。)によって被った被害について、保険金請求権者が法律上の損害賠償請求を行う場合に次項に規定する弁護士費用を負担したことによって生じた損害に対して、この特約の規定に従い、弁護士費用保険金を支払います。
(中略)
A弁護士費用とは、あらかじめ当会社の同意を得て弁護士、司法書士、行政書士、裁判所またはあっせんもしくは仲裁を行う機関(申立人の申立にもとづき和解のためのあっせんまたは仲裁を行うことを目的として弁護士会等が運営する機関をいいます。)に対して支出した弁護士報酬、司法書士報酬もしくは行政書士報酬、訴訟費用、仲裁、和解または調停に要した費用とします。
B当会社は、被保険者が対象事故によって被った被害について、保険金請求権者があらかじめ当会社の同意を得て法律相談を行う場合に法律相談費用(法律相談の対価として弁護士、司法書士または行政書士に支払われるべき費用をいいます。以下同様とします。)を負担したことによって被る損害に対して、この特約の規定に従い、法律相談費用補償特約により支払われた保険金の額を超える額について、法律相談費用保険金を支払います。
C当会社が支払うべき保険金(弁護士費用保険金および法律相談費用保険金をいいます。以下同様とします。)の額は、1回の対象事故につき、被保険者1名あたり300万円を限度とします。
D当会社は、対象事故が保険証券記載の保険期間(以下この項において、「保険期間」といいます。)中に発生した場合にのみ、保険金を支払います。ただし、被害が身体の傷害である場合には、身体の傷害を被った時が保険期間中である場合に限ります。
E当会社は、被害に対する損害賠償請求または法律相談を、被害の発生および賠償義務者を知った日からその日を含めて3年以内に、保険金請求権者が開始した場合に限り、保険金を支払います。
(中略)

第4条(用語の定義)
(中略)
(2)保険金請求権者
対象事故によって損害を被った次のいずれかに該当する者をいいます。
(イ)被保険者(被保険者が死亡した場合は、その法定相続人とします。)
(ロ)被保険者の父母、配偶者または子

第7条(保険金の請求)
@当会社に対する保険金請求権は、弁護士費用または法律相談費用が発生した時に発生し、これを行使することができるものとします。
A保険金請求権者が第2条(この特約の補償内容)の規定に基づき保険金の支払を受けようとする場合は、普通保険約款一般条項第3節【総合自動車】第5条(保険金の請求)第2項に定める書類のほか、次の各号に定める書類を添えて当会社に提出しなければなりません。
(1)当会社の定める事故報告書
(2)法律相談等を行った弁護士、司法書士または行政書士による法律相談の日時、所要時間および内容についての書類
(3)弁護士費用または法律相談費用の内容を証明する書類


○弁護士費用特約による保険金請求権者は、「対象事故によって損害を被った被保険者」が原則であり、事件を担当した弁護士は請求権者ではありません。然るに何故、以下の記事のような問題が発生するのか、−弁護士費用特約保険金支払実務に問題がありそうです。別コンテンツで、約款を詳しく検討して私なりの説明を試みます。

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高額請求問題で仲裁機関 弁護士保険巡り日弁連が設置検討
2013/10/7日本経済新聞

 弁護士費用などを損保会社が負担する「弁護士保険」をめぐり弁護士が高額の報酬を請求して損保会社とトラブルになるケースが相次いでいることから、日弁連は当事者間を仲裁し解決を図る専門機関の設置を検討する。11月に開く弁護士業務改革に関するシンポジウムで議論する。大貫裕仁事務次長は「安全に利用できる弁護士保険を目指したい」と話している。

 弁護士保険は、日弁連と損保会社が協力して2000年に開発し、個人向けの自動車保険や傷害保険などの特約で販売。加入者らが相手に損害賠償を請求する際に、弁護士費用などが保険金で支払われる。

 被害者らの訴訟経費の軽減を図り、弁護士の活用を促進する狙いがあったが、一部の弁護士は依頼者の負担にならないことを前提に、相場よりも高額の報酬で受任契約を締結。保険金の支払いを請求された損保会社が拒否するなど、トラブルになるケースがこれまでに少なくとも9件あることが判明している。

 09年に香川県で起きた交通事故では、被害者から依頼を受けた東京の弁護士が示談交渉で約400万円を相手から回収した上で、依頼者に詳しい説明をしないまま約200万円の報酬を損保会社に請求。算出方法などで、損保会社と争いになった例もある。

 日弁連は、弁護士保険を扱う損保会社や共済協同組合などと協定を締結し、保険加入者が希望する場合は弁護士も紹介。今後は、保険金の請求をめぐる問題の処理も日弁連が仲介できるように内容を改めるほか、協定を結ばずに独自の弁護士保険を販売している損保会社にも協力を呼び掛けていくとしている。〔共同〕