○「
結婚を維持するコツは期待せず思い詰めないこと」を続けます。
ここで、「
相手が全く何もしてくれず、それでも破綻は避けたいと思うなら、最終的には、兎に角、相手が一緒に居てくれる、それだけでよいと思うべきでしょう。」と記載していましたが、この記述はあくまで結婚を維持したいとの気持が残っている場合のことです。相手がスッカリ嫌になり、早く離婚したいという気持になってしまったのであれば、こんな努力は無用なことは言うまでもありません。
○当事務所を訪れる方は、特に男性に多いのですが、相手から離婚を要求されているが自分は納得できない、離婚はしたくないと言う方も多く、話しを聞いてみると、相手に対する「過度の期待」とこの期待に応えてくれないことについて「思い詰め過ぎている」状況の方が殆どです。そして結婚して妻(夫)になった以上、こうあるべきだ、母(父)となった以上こうあるべきだとの「○○であるべき」ことへの強いこだわりを持った方も大変多くおられます。
○そしてこの「○○であるべき」とのこだわりを相手に押し付け、この押し付けを当然の如く確信しています。押し付けられる相手としてはたまったものではなく、うんざりしているのですが、この相手の心情を思いやる心の余裕がなくなっています。あくまで結婚を維持したい、出来るなら良好な夫婦関係で過ごしたいと思うのであれば、このこだわりをキッパリと捨てる覚悟が必要です。
○このこだわりを捨てるには、相当な柔軟思考が必要ですが、柔軟に考えるコツは、この目の前にいる相手が、あれもせず、これもせず、サッパリ期待に応えず、そのことを思い詰めて不満の塊となって、鬼の形相になっている自分に対して、深呼吸をして、先ずフーッと肩の力を抜けと言い聞かせることから始めます。
○そしてそのような鬼の形相になっている自分を第3者になったつもりで客観的に見つめ直す作業を行います。どうして相手は期待に応えないのか、いつからこうなったのか、その原因はなにか、自分に非ははないのか等見つめ直します。その結果、僅かでも自分の非が見えるようであれば、みつけものです。
○しかし、どう考えても自分には非が無く、非は相手方のみにあるとしか思えないなら、そんな相手と本気で結婚生活を続けたいと思っているのか、振り返ります。非は相手方にしかないと思いながら、それでもそんな相手と別れたくないと思っているのでしたら、本気で惚れています。そうであれば全面降伏しかありません。
自分が持っている相手に対する全てのこだわりを捨て、相手の全てを許すしかありません。相手の非を変えて期待に応える人間にしてやろうなんて思いは、キッパリ捨てた方が宜しいでしょう。
○しかしそうは言ってもなかなか自分のこだわりを捨てられないのが人間です。そのときは、そんな相手を選んだのは、誰に頼まれたわけではなく、あくまで自分自身であることに思いを致す必要があります。
自分を今、苦しめている人間は、自分が選んだのであり、自分自身がこの苦境を招いたものです。正に自業自得であることをシッカリと自覚して、相手の非をあげつらうことを意識して止めましょう。
○
このようにこだわりを捨てて、意識して相手に対する要求を出来るだけ小さくすることが出来るかどうかが、結婚生活を維持できるかどうかの鍵のような気がします。問題は、要求を小さくすることで、自分が我慢することになり、これがストレスとなってやがて爆発したのでは、意味がありません。我慢と感じることなくストレスをためることなく相手への要求も抑える柔軟な思考を持てるかどうかが、その結婚を維持できるかどうかのポイントです。
ホントに難しい。