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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

結婚

婚姻中夫婦の一方が不貞行為をした場合の対処法1

「婚約者の相手方への気持ちが離れ始めたときの対処法」で「相手の気持ちが離れ始めたとき怒りの感情をぶつけたら離れた気持を益々堅固なものにさせるだけで離れた気持を取り戻す効果は先ずないと考えた方がよいでしょう。」、「相手の気持を取り戻したいと思うなら、ただただ相手の感情に訴えるしかありません。」、「相手の気持を自発的に自分に戻すには、怒りや道理の説明は論外で、相手に圧力と感じさせない心からの悲しみを訴えた方が効果的」と記載しました。

○このことは婚約中ではなく、結婚した後も全く同様です。夫婦の危機は、典型的には夫婦の一方が不貞行為に及んだ場合に訪れます。これが発覚すると、不貞行為された側は、通常、怒り狂い、特に不貞の相手方に対する嫉妬と憎悪からその不貞相手を執拗に責め続ける言動に出ることが多くあります。

○しかし不貞が発覚した場合に怒り狂って不貞をした配偶者と不貞相手を責め続けることは、その配偶者との円満な結婚生活に取り戻すためには愚の骨頂と考えた方が良いでしょう。まして不貞相手に対する慰謝料請求は、その配偶者との円満な結婚生活に取り戻すためには却って、逆効果で、夫婦関係の破滅を招来する可能性が極めて高いものです。私が、間男・間女側として関与した例でも、不貞行為相手に厳しい慰謝料請求を継続することで,自己の配偶者との関係が崩壊した例は多数あります。

○夫婦の一方が不貞行為に及んだと言うことは、不貞をした配偶者は、他の配偶者に対し何らかの不満を持っている場合が多く、不貞が実行されたその夫婦の間のコミュニケーションに問題が生じていると考えられます。夫婦の一方の不貞実行はその夫婦間には溝が生じていることの現れであり、その溝を埋めてその夫婦関係を修復しようと思うのであれば、怒りの感情をぶつけることは得策ではありません。怒りの感情をぶつけることはその溝を益々大きなものにするだけです。不貞をされたら怒るより悲しむべきなのです。

○人間は感情の動物であり、理屈では動きません。いくら不貞をされたら「怒るより悲しむべき」と「べき」なんて理屈を諭されても、理屈で悲しみの感情は生じません。私が言いたいのは、感情をコントロールする努力をすべきと言うことです。自分では愛して懸命に尽くしてきたと思っている相手方に不貞をされると裏切られたと感じて怒りの感情が発するのは人情として当然です。

○しかし不貞をされたと言うことは自分が愛していると思っていても相手方はそれに誠実に応えていない即ちその愛情を感じていないか感じていても感謝の気持ちを持っていません。つまりその愛情が相手に十分に伝わっていないことの表れであり、その夫婦間には溝が生じていると言えます。

○この溝を埋めて夫婦関係を修復したいと思うなら、たとえ一時的に怒りを相手にぶつけても、自分の相手に対する愛情が十分伝わっていなかったことを反省しなければなりません。そして怒りよりも悲しみを伝えた方が相手も気持ちを取り戻すためには効果的でしょう。しかし多くは怒りだけを長く執拗に継続し、埋められない溝を作って法律事務所を訪れます。最近、立て続けに扱った夫婦問題での感想でした。