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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

交通事故関連傷病等

国際頭痛分類基準変更−平成25年9月6日現在ネット公表は第2版のみ

○平成25年9月6日現在、日本頭痛学会HPの国際頭痛分類で公表しているは、第2版の日本語版のみですが、以下の毎日新聞ニュースによると「2004年に発表された第2版が改定され、第3版が策定された。」とあります。
その改訂内容の主な点は、
脳脊髄液減少症研究会世話人の美馬達夫医師によると、第3版の大きな特徴は▽頭を上げていると頭痛が悪化するまでにかかる時間を診断の条件としなかった▽第2版は「ブラッドパッチ」という治療法で、発症原因別に「72時間以内」や「7日以内」に頭痛が消えることを診断の条件にしていたが、第3版は、治療後に頭痛が消えるまでの期間を条件にしなかった−−ことだ。
とのことです。

○そこでこの第3版の日本語版原典をネット上で探しているのですが、平成25年9月6日現在は見つかっていません。英語版は公表されているのかも知れませんが、私の英語能力では探すことが出来ません。日本語版の早期公表が待ち遠しいところです。
と、当初記載しましたが、日本頭痛学会HPの「国際頭痛分類第3版(ICHD-III)beta版の発表について」と言う記事に概要解説がありました。しかし、概要ですので、この部分には、上記美馬達夫医師説明部分の記載はありません。

○国際頭痛分類第3版(ICHD-III)beta版は、国際頭痛学会Webサイトより全文のダウンロードが可能とのことですが、要IHS会員ID・PWとの条件付きで、一般人がこのサイトでダウンロードすることは不可能です。美馬医師等脳脊髄液減少症研究会の医師がダウンロードし、且つ、和訳したものを、どこかのHPに掲載して頂きたいものです。

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7.2 低髄液圧による頭痛
7.2.1 硬膜(腰椎)穿刺後頭痛
診断基準:

A. 座位または立位をとると15 分以内に増悪し、臥位をとると15 分以内に軽快する頭痛で、以下のうち少なくとも1 項目を有し、かつC およびD を満たす
1.項部硬直
2.耳鳴
3.聴力低下
4.光過敏
5.悪心
B. 硬膜穿刺が施行された
C. 頭痛は硬膜穿刺後、5 日以内に発現
D. 以下のいずれかにより頭痛が消失する(注1)
1.1 週間以内に自然消失する
2.髄液漏出に対する治療による改善(通常、硬膜外血液パッチ)後、48 時間以内に消失する
注:
1.95% の症例が該当する。頭痛が持続する場合、因果関係は疑わしい。

7.2.2 髄液瘻性頭痛
診断基準:
A. 座位または立位をとると15 分以内に増悪する頭痛で、以下のうち少なくとも1 項目を有し、かつCおよびD を満たす
1.項部硬直
2.耳鳴
3.聴力低下
4.光過敏
5.悪心

B. 既知の手技または外傷が持続的髄液漏出の原因であり、少なくとも以下の1 項目を満たす
1.低髄液圧の証拠をMRI で認める(硬膜の増強など)
2.髄液漏出の証拠を通常の脊髄造影、CT 脊髄造影、または脳槽造影で認める
3.座位髄液初圧は60 ミリ水柱未満

C. 頭痛は髄液漏出と時期的に一致して起こる

D. 髄液漏出部封鎖後、7 日以内に頭痛が消失する

7.2.3 特発性低髄液圧性頭痛
以前に使用された用語:
自発性頭蓋内圧低下症(spontaneous intracranial hypotension)、一次性頭蓋内圧低下症(primary intracranialhypotension)、髄液量減少性頭痛(low CSF-volumeheadache)、低髄液漏性頭痛(hypoliquorrhoeic headache)

診断基準:
A. 頭部全体および・または鈍い頭痛で、座位または立位をとると15 分以内に増悪し、以下のうち少なくとも1 項目を有し、かつD を満たす
1.項部硬直
2.耳鳴
3.聴力低下
4.光過敏
5.悪心

B. 少なくとも以下の1 項目を満たす
1.低髄液圧の証拠をMRI で認める(硬膜の増強など)
2.髄液漏出の証拠を通常の脊髄造影、CT 脊髄造
影、または脳槽造影で認める
3.座位髄液初圧は60 ミリ水柱未満

C. 硬膜穿刺その他髄液瘻の原因となる既往がない

D. 硬膜外血液パッチ後、72 時間以内に頭痛が消失する

コメント:
基礎疾患が髄液量の減少である可能性がある。ささいな頭蓋内圧亢進の既往(激しい咳込みなど)が認められることが多い。他に、気圧の急激な低下による症例もある。低髄液圧による頭痛に似た体位性頭痛が性行為後に起こったとする報告がある。そのような頭痛は、髄液漏出に起因するため、本項にコード化すべきである。自発性低髄液圧による頭痛を有する患者の多くは、硬膜外血液パッチ、生食硬膜外注入、またはカフェイン静注や通常の鎮痛薬などによる薬物療法が効果を示す。頭痛は、自然消失するものもあるが、初回治療で効果があっても再発するものもある。硬膜鞘ヘルニアの症例(胸椎に好発)が報告されており、外科的治療が好成績を挙げている。硬膜穿刺は、硬膜の増強などMRI 徴候陽性の患者では避けるべきである。


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<脳脊髄液減少症>国際頭痛分類の基準変更 患者数拡大へ
毎日新聞 9月5日(木)7時30分配信


 頭痛診断の世界的な解説書と位置づけられる「国際頭痛分類」が改定され、「脳脊髄(せきずい)液減少症」の診断基準が、対象となる患者が拡大される方向に変更されたことが分かった。国内で交通事故などの外傷によってどのくらい患者が発症するのかが注目されてきたが、診断基準の見直しは、事故の補償を巡る訴訟にも大きな影響を与えそうだ。【渡辺暖】

 国際頭痛分類は、世界的な頭痛の研究者が作る「国際頭痛学会・頭痛分類委員会」が策定するさまざまな頭痛の診断基準。今回は、2004年に発表された第2版が改定され、第3版が策定された。

 脳脊髄液減少症研究会世話人の美馬達夫医師によると、第3版の大きな特徴は▽頭を上げていると頭痛が悪化するまでにかかる時間を診断の条件としなかった▽第2版は「ブラッドパッチ」という治療法で、発症原因別に「72時間以内」や「7日以内」に頭痛が消えることを診断の条件にしていたが、第3版は、治療後に頭痛が消えるまでの期間を条件にしなかった−−ことだ。

 日本では「交通事故やスポーツの衝撃などで発症した減少症が見逃されてきた。第2版は患者を見逃す間違った基準だ」と批判されてきた。一方、交通事故の補償を巡って被害者と加害者側との間で訴訟が相次ぎ、判決は、第2版の基準に合致しないことなどを理由に、減少症の診断の多くを退けている。

 厚生労働省研究班のメンバーでもある篠永正道・国際医療福祉大熱海病院教授は「第2版が、頭痛の悪化やブラッドパッチの効果に関して設けていた時間的な条件は、裁判でも研究班の議論でも、大きな重しになってきた。重しがとれたことで状況は一変すると思う」と話し、適正な診断が広がり救済される患者が増えることに期待を寄せる。