○平成21年8月15日終戦の日ですが、午後から新幹線とバスを乗り継いで3時間弱かけて、ある地方都市に向かいました。最近受任した交通事故事件についての現地調査のためでした。バス終点の駅前までお客様に車で迎えに来ていただき、そこから被害者の方が入院している病院を訪れ、その状況を確認し、その後、事故現場に向かい、現場状況を入念に調査しました。
○
「私と交通事故」に次のように記載しています。
「
3.交通事故取り組みの姿勢
私は、交通事故においては、現場第一主義を貫徹しております。
どんな小さな事件でも、事故態様に争いがある場合は、必ず事故現場を訪れて実地検分します。1回で納得できない場合、納得できるまで何度も現地を訪れます。難事件の場合、3回以上訪れることもよくあります。
そして出来るだけ事故の状況をリアルに把握するために、事故と同じ時間帯に必要に応じて当事者には事故時と同じ服装で現場に来ていただき、可能な限り事故状況を再現 してビデオに収録します。勿論安全性には十分に配慮した上で行います。
次に類似事案についての判例・学説を徹底的に調査します。そして依頼された方に有利な情報を少しでも多く集めて活用すべく努力を積み重ねます。 」
○勿論、上記の現場第一主義で現地を調査するのは過失割合に争いがある場合等現地調査の必要がある場合に限られ、必要のない場合は現地には行きません。これまで交通事故現地調査のため宮城県内は何度も訪れていますが、県外では遠くは青森、福島、群馬、東京等を訪れたことがあります。
○交通事故の刑事事件記録には現場見分調書と現地の写真撮影報告書がありますが、写真を見ただけでは現地の実際の状況は殆ど判断できません。実際、自分の目で現場で確認しないと現地の状況詳細は判らず、例えば過失相殺について主張する場合も、自信を持って主張できません。そこで必要ある場合は、必ず自分の目で現地状況を確認します。
○今回の事件も保険会社は被害者側過失を主張していますが、刑事記録を見ても何故そこで衝突したのかどうしても納得できず、ちょうど事故があったその同じ日の事故時刻の30分前に現場に到達して入念に道路状況等を調査してデジカメとビデオに収め、保険会社主張の誤りを実際この目で見て確信出来ました。この確信は現地を見ない限り決して到達できないものでした。
○更に事故以来遷延性意識障害いわゆる植物状態となりベッドに横たわったままの被害者の方の状況を子細に観察して被害者の方の無念さを実感しました。四肢麻痺での後遺障害第1級第1号の方の事件は経験がありましたが、植物状態となった方の事件は初めて経験し、植物状態と言ってもその程度はケースバイケースで、事案に応じた主張が必要と感じました。
現場・現状の実地調査の重要性を痛感した次第です。