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「RSDからCRPSへ−痛みのメカニズム」を読まれた方から感想を頂きました。交通事故後、膝に厳しい疼痛が続き入院治療等を継続するもその厳しい疼痛が継続して苦しんできたところ、自賠責の後遺障害認定が14級となり、保険会社からの示談提案額が14級を前提にした僅かなもので、到底、納得できないとして私を依頼して訴えを提起された方です。
○当事務所に相談に訪れる前に14級認定に対し3回も自賠責側に異議の申し立てをするもいずれも却下され、症状固定時期からまもなく3年の時効期間が経過する間際に当事務所を訪れましたが、詳しく話をお伺いすると,その症状は相当厳しく、僅か14級の認定は本当に気の毒と思われる事案でした。
○私は後遺障害等級は少なくとも10級にならなければおかしいと確信し、10級を前提とした訴えを自賠責保険会社と加害者側に提起しました。この訴えに対し特に自賠責保険会社は、RSDの存否そのものを激しく争い、この症例では到底RSDとは評価出来ないと強く主張して譲りませんでした。この症例では激しい疼痛が継続し、加害者側任意保険会社でさえ、14級の認定に疑義を持ち、被害者の方に異議の申立を進めるほど疼痛の存在が明らかなものでした。
○しかし自賠責保険会社は、仮にそのような疼痛があったとしても、交通事故との因果関係は認められないと強く主張し,特に3回も異議申立がなさた本件事案は、「特定事案」として、自賠責保険審査会で審査の公平性・客観性を確保するため、外部の専門家が参加して慎重に審査した上で交通事故と因果関係のあるRSDとは認められないとしたものであり、その判断にいささかの誤りもなく14級以上の後遺障害は到底認められないと断定していました。
○そこで私は先ずその方の数年に及ぶ入院・通院状況を時系列で整理しその症状についての診断書・カルテ等医療記録及び本人の自覚症状の変遷を入通院一覧として入通院年月日毎に整理して表示し症状等の変遷が一覧で判るようにし、その上で、CRPS(複合性局所疼痛症候群)の認定基準に関する医学学説の要件に該当することを詳しく執拗に記載した準備書面を提出しました。
○更にご本人の問題の左膝の状況、特に動きが制限されている状況を判りやすく連続写真によって表現し、膝の不自由さのために改造した台所、風呂場等の状況とご本人が改造した台所、風呂場等を利用している状況も連続写真に整理して証拠として提出し、更にご本人の不自由な膝での身体の動きをビデオに撮影してそのビデオも証拠として提出しました。
○これらの主張とそれを裏付ける連続写真、ビデオ等を見た裁判官から和解案が出され、最終的には当初の14級を前提にした支払案の6倍近い和解金を取得し,依頼者の方からは感謝されました。これらの主張整理、特に時系列整理と印刷表示、写真撮影報告書等は全て自慢の桐システムで作成していますが、膨大なデータの整理に桐はホントに便利だと実感したもので、その後の交通事故事件でも入通院経過一覧作成を原則としています。