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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

離婚要件

別居2年未成熟子2名の有責配偶者離婚を認めた東京高裁判決全文紹介3

○「別居2年未成熟子2名の有責配偶者離婚を認めた東京高裁判決全文紹介1」を読んだ方から、
①事案概要では、被控訴人Yが最高裁に上告受理申立で終わっていますが、最高裁で受理された後、差し戻しされることなく、判決は出ているのでしょうか。
②もし、出ているのであれば、判決の日付、番号を教えてください。
③できれば、判決概要をコメントしていただければ、大変助かります。また、
④最近の判例で、類似したものがあれば、日付番号等を教えてください

とのご質問を頂きました。

○私が加入している3件の判例データベースで調べるもいずれも上告受理申立まで記載していますが、その結果についての記載はありませんでした。しかし、私の推測としては上告受理申立は「受理しない」との決定で終局していると思われます。有責配偶者の離婚請求を別居僅か2年で認容する例は、他になく、珍しい事案であり、その結果は多くの関心を集めているところ、もし、上告受理して高裁判決を覆す最高裁判決が出れば、これも話題となり多くの判例集に登載されるはずだからです。

○「上告審手続の経験とその備忘録」に記載したとおり、平成22年統計では、最高裁で覆される確率は、概要、上告事件で100件の内1件、上告受理申立事件で100件の内3件しかありません。「菅元首相の敗訴確定=安倍首相メルマガ訴訟-最高裁審理期間3ヶ月以内」に記載したとおり、高裁判決に対し14日以内に上告・上告受理申立書を先ず高裁に提出すると、高裁は数日後に「上告提起通知書」乃至「上告受理申立て通知書」を上告当事者に送付し、上告当事者はその通知書を受領した日から50日以内に,上告・上告受理申立理由書を高裁に提出しますので、この間60~70日です。

○高裁は、これらの書類を受領後、不備がないかどうかを審理して不備がないと判断した後に最高裁に書類を送付し、最高裁は、高裁からの書類受領後速やかに当事者に「記録到着通知書」を送付し、ここから最高裁の審理が始まり、ほぼ8割近い事件が3ヶ月以内に上告却下・棄却または上告不受理決定が出されます。従って上告してから8割近い事件はトータル5ヶ月程度で、上告却下・棄却または上告不受理決定の通知を受けます。

○私自身扱った事件でも相当数の上告受理申立をし、また、上告受理申立をされていますが、殆どが控訴審判決後6ヶ月程度で結論が出されており、上告受理を最も期待した事件があったのですが、10ヶ月経過しても結論が出ず、大いに期待したのですが、11ヶ月目に不受理決定を受けて、ガッカリしたこともあります。

○「別居2年未成熟子2名の有責配偶者離婚を認めた東京高裁判決全文紹介1」の判決で公表された原告(控訴人)代理人弁護士名は木下・大石法律事務所(〒104-0061 東京都 中央区 銀座7-10-8 第五太陽ビル4階 電話03-6228-5385)の木下淳博弁護士です。こちらに連絡すれば結論を教えてくれるかも知れません。

○最近の判例で、類似したものがあれば、日付番号等を教えてくださいとのご質問については、2年程度の別居で離婚を認める判例はなかなか見つかりません。「別居期間2年2年3ヶ月で婚姻破綻を認めた裁判例紹介(一審仙台地裁)」がありますが、高裁で覆されました。