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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

不倫問題

3年間の不貞行為継続で慰謝料150万円を認めた判例紹介

○不貞行為の慰謝料金額について判例を調査中です。「不貞行為第三者に対する夫との同棲差止請求棄却裁判例全文紹介1」では20年間の不貞行為継続で300万円の慰謝料支払義務を認めた判例を紹介しました。現在数ヶ月の不貞行為継続での慰謝料金額が争いになっている事案を抱えています。

○私は、殆ど請求される側の代理人にしかなりませんが、「不貞行為第三者に対する夫との同棲差止請求棄却裁判例全文紹介1」に記載したとおり、「近時、私が受任し裁判になった事案では、私は殆ど、間男・間女?側ですが、慰謝料自体は100万円程度に収まるのが殆どです。」。
妻Cが、夫Aとその不貞相手であるD女に対し、3000万円の慰謝料請求をして、3年近くの不貞行為継続について、最終的に夫Aと不貞行為相手方Dに対し、連帯して150万円の妻Cに対する慰謝料支払義務を認めた大阪高裁平成21年11月10日判決(家月62巻10号67頁)の関係部分の記述を紹介します。


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第2 事案の概要
(中略)
(3) 第3事件は,被控訴人Cが,控訴人A及び控訴人Dに対し,控訴人らが肉体関係を持ったことが被控訴人Cに対する共同不法行為を構成するとして,連帯して慰謝料3000万円及びこれに対する反訴状送達の日の後の日である平成19年×月×日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案(第1事件の反訴)である。
(中略)
(5) 原審は,控訴人Aが控訴人Dと肉体関係を持った有責配偶者であるとして第1事件の離婚請求及び損害賠償請求をいずれも棄却し,被控訴人Cの控訴人らに対する第3事件の損害賠償請求を連帯して慰謝料500万円及びこれに対する反訴状送達の日の後の日である平成19年×月×日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容した。

第3 当裁判所の判断
(中略)
3 被控訴人Cの慰謝料請求(第3事件)について
(1) 上記1の認定事実のとおり,控訴人らは,平成14年×月以降,少なくとも平成17年×月ころまでの3年近くにわたって男女関係を継続し,控訴人Dにおいても遅くとも平成15年秋ころには,控訴人Aに被控訴人Cという妻があることを知っていたのであるから,その後も控訴人Aとの男女関係を継続したことは,被控訴人Cの婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を違法に侵害した共同不法行為を構成するというべきである。

(2) そして,上記認定の平成17年×月までの被控訴人Cと控訴人Aの婚姻関係の状況及びそれより後の婚姻関係の悪化の状況に,上記判示のとおり控訴人Aからの離婚請求が棄却されるべきものであり,法律上の婚姻関係は今後も継続していくこと等,本件における一切の事情を考慮すると,上記共同不法行為による被控訴人Cの精神的苦痛に対する慰謝料としては,150万円をもって相当と認められる。
 したがって,被控訴人Cは,控訴人らに対し,連帯して慰謝料150万円及びこれに対する反訴状送達の日の後の日である平成19年×月×日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる。