○「
一定金額を支払えば協議離婚できるとの誓約書が無効とされた判決紹介2」に日本では、婚姻届出前の夫婦財産契約は殆ど利用されておらず、登記件数も年間数件に留まっているとのこと、そのため夫婦財産契約に関する相談を受けたことがなく、民法第755条(夫婦の財産関係)、第756条(夫婦財産契約の対抗要件)の存在を忘れていたことを告白していました(^^;)。
○有効に成立する夫婦財産契約内容サンプルについて勉強が必要と感じて、我が事務所の書棚を探したところ、平成24年7月初版本で購入した株式会社ぎょうせい
山田俊一税理士著作「夫婦財産契約の理論と実務」を発見しました。おそらく仙台弁護士会の書籍紹介コーナーに展示されたものを購入し、購入したこと自体を忘れていたと思われます。
○書籍紹介内容では、山田俊一税理士について、「
著者は、クライアント(資産家)からの離婚相談の実務経験と、明治期から現在までの夫婦財産契約例の分析・研究を重ねてきたベテラン税理士。実際の契約に使える文例も、夫婦の年齢や立場、財産管理スタイル(財布を共通にするか別にするかなど)などのパターン別に収録。」とされています。
○この著作には、夫婦財産契約についての多くのサンプルが記載されており、夫婦財産契約についての相談を受けた場合は必須の参考書と思われます。以下、基本的なモデルとしての別産制の夫婦財産契約書を紹介します。その他のサンプルについては、同著作を購入して勉強して下さい。
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1 婚姻
二人は結婚することを約束し、将来の婚姻生活に起こり得る、お互いの財産や権利についての問題に備えて合意した。これを証するために本書を作成する。
2 目的
本書は、二人が婚姻に際して所有する財産及び婚姻後に取得される財産に関し、その所有権の帰属、使用収益、処分の方法などにお互いの権利と義務を明らかにし、並びに離婚・婚姻の解消・夫婦何れか一方の死亡の場合においても本書によることを明らかにする。
3 婚姻の成立要件・契約の効力
(以下、各項目見出しのみ紹介)
4 財産の開示
5 夫の特有財産
6 妻の特有財産
7 夫婦の合有財産
8 夫婦の共有財産
9 婚姻費用の負担
10 債務の負担
11 婚姻の解消
12 離婚の扶助料
13 離婚後の子の養育と監護
14 相続に関する事項
15 契約の登記及び変更と廃止