○離婚事件では、子供の親権争いが熾烈化し、何とか離婚が成立しても、子供との面接交渉をめぐって争いが継続することが良くあります。面接交渉を認めるとそのまま連れて行かれるのではないかと心配して、親権者となった側が、親権者とならない側の面接交渉要求を拒否することが良くあります。そのため離婚後の面接交渉の場として、弁護士さんの事務所で弁護士さんの監視の下でないと会わせない主張し、結局、面接交渉実現のため双方代理人が同席して、事務所内の一室で行ったこともあります。
○しかし、離婚調停或いは離婚訴訟継続中は兎も角、離婚成立後の面接交渉まで、弁護士が関与するのは大変です。また、離婚成立後の面接交渉についての審判事件で、第三者の関与の元での面接交渉を認める例もあります。そこで面接交渉実現を手助けしてくれる機関がないものかと思っていたところ、山本安志弁護士のブログで、
家庭問題情報センター(Family Problems Information Center:略称FPIC)があることを知りました。同弁護士の話では、面接交流で、FPIC(エフピック)を利用したことがあり、父母間では自力での面会交流が困難な場合FPIC(エフピック)が付添援助などして、面会交流を援助してくれ、公益社団法人が運営し、サービスは有料とのことです。
○この
FPIC設立の趣旨を見ると、
家庭問題情報センター(Family Problems Information Center:FPIC)は,家庭紛争の調整や非行少年の指導に長年携わってきた元家庭裁判所調査官たちが、その豊富な経験と人間関係の専門知識,技法を広く活用し、 健全な家庭生活の実現に貢献することを目的として設立された公益法人です。
各地に相談室を設置して、夫婦仲の調整や離婚などの夫婦の問題、離婚後の子をめぐる問題、いじめなど子育ての悩み、ひきこもりなど成人した子の悩み、老親をめぐる兄弟間の悩み、職場の人間関係や男女関係のトラブルあるいは生き方や性格の悩みなど、人間関係、子育てやこころの問題についての相談に応じています。
とあります。
○FPICの業務を見ると、
本法人は上記定款第3条の公益目的を達成するため、次の事業を行う。
家庭問題に関する心理・教育相談事業及び調停手続事業(ADR)
親子の面会交流援助事業
後見、後見監督等に関する事業及び公正証書遺言者への支援事業
家庭問題に関する調査・研究事業、セミナー・講演会の開催事業、講師・鑑定人の推薦事業及び機関紙(家庭問題情報誌「ふぁみりお」の発行配布等の普及啓発事業
家庭問題に関する公的機関からの受託事業
その他各号の事業を達成するために必要な事業
とあります。
○この親子の面接交流援助については、別居や離婚によって、別れて暮らす親子が会えなくなったとき、FPICのルールに沿った面会交流を援助します。(有料)と説明され、 その具体的内容は、
面接交流援助の案内ページに詳しく記載されています。最も気になる費用ですが、事前相談料が1時間5000円で、実際の援助は、試行型、付添い型、受渡し型、連絡調整型に分かれ、2000円から3万円の範囲内で、安いとは言えませんが、面会交流援助を利用したい父母への指針で、面会交流のルールがきめ細かに規定されており、参考になります。
○
各地の相談室の紹介ページを見ると残念ながら仙台には、相談室はなく、連絡室があるとのことで、この地域での相談を希望される場合、東京ファミリー相談室(03-3971-3741、月〜金10:00〜17:30、FAX 03-3971-8592)に相談下さいとのことです。早く仙台にも相談室が出来ればよいのですが。しかし、このFPIC、家族問題の全ての相談に応じるようで、弁護士業務の強力ライバルかも知れません(^^;)。