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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

年金分割制度等

特別老齢厚生年金と老齢基礎年金の繰上支給

○年金についての備忘録を続けます。
国民年金(老齢基礎年金)の支給要件は、保険料納付済期間と保険料免除期間の合計が25年以上であることで、支給開始年齢は、原則として65歳です。ただし、60歳から減額された年金の繰上支給や、66歳から70歳までの希望する年齢から増額された年金の繰下支給を請求できます。

○注意すべきは60歳から65歳に達するまで「特別支給の老齢厚生年金」が支給されると言うことで、これは前記の60歳から請求できる繰上支給とは異なるものです。サラリーマンの年金支給開始は、旧制度は60歳からだったものが、新制度では65歳からになったために、その経過措置による調整金として特別に支払われる年金です。

○この特別支給の老齢厚生年金の受給要件は、
・60歳以上65歳未満である者
・厚生年金保険の被保険者期間が1年以上あること
・原則として、国民年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が、25年以上あること
  (平たくいうと、厚生年金、共済年金、国民年金の合算期間が25年以上あること)

です。

○注意すべきは、特別支給の老齢厚生年金は、繰り下げて受給することは出来ないので、誕生日がきたら速やかに社会保険事務所に行って年金の請求をすべきことです。各年代によって受給期間が決まっており、期間が経過すると遡って請求できなくなります。然るに社会保険庁から支払案内も来ないとのことです。

○例えば私も昭和53年4月から昭和55年3月迄の2年間は最高裁判所所属司法修習生として公務員共済保険料を支払っていましたので、60歳の誕生日から65歳までの5年間、司法修習生時代2年間の支払保険料に応じた報酬比例部分相当老齢厚生年金が貰えるとのことです。

○勿論、金額は微々たるものでしょうが、これは請求しないと貰えず、請求しないまま受給期間を経過すると受給権利は失効します。そこで本来貰えるはずの特別支給の老齢厚生年金を請求しないで放置していたために受給権利を失効している例は相当あるとのことです。

○老齢基礎年金の繰上げ・繰下げ支給は、特別支給の老齢厚生年金とは別なもので、繰上支給は減額、繰下支給は増額となり、減額率、増額率については静岡市保険年金課HPに詳しく記載されています。