○畏敬する
谷沢永一先生は名著
「人間通」の個人差という項で、人間の生殖器には大きな能力差があり、「
誰でも否定できない事実として、第一に、人並み外れて性行為の回数を重ねなければ身体が持たない絶倫型がある。第二に、数多くの異性を相手に性行為の遍歴を重ねなければ気が済まない好色型がある。」、「
持って生まれた容姿が変更できない宿命である如く、絶倫と好色もおそらく遺伝子の所産であろう。」と喝破しています。
○Aは、共同で事業を営む友人Bの女狂いのひどさに辟易として、何とかBの女狂いを更生させる方法はないものかと、相談に来ました。Bは、奥さんのCとの間に結婚して子供が3人もいるのに、次から次と女性に手を出しては問題を起こして、人間関係をぶち壊すことを続けており、奥さんのCが可哀想で仕方がなく、またこのままではBの信用がなくなり、B自身のためにもならず、何とかBを説得して女狂いから立ち直らせたいと言います。
○最近は、婚約したばかりのD(男)とE(女)のカップルのEに手を出して、一時Eと男女関係になり、これが原因でDとEは婚約を解消した例があり、D、E共にAとBの昔からの大事な友人だったのに、これが元で人間関係が完全に崩れたとAは嘆きます。
○Bは人のものになると無性に手に入れたくなる子供みたいなところがありました。それまで単なる友人だった女性が、婚約や結婚すると無性に欲しくなり、甘言を弄しては付け入って、自分のものにしてしまう悪い癖があり、これまで何度も同じようなことを繰り返し、ある時は結婚した女性を妊娠させてその夫との間で切った張ったの大騒ぎになったこともあるそうです。
○このBのような男性は世の中に一定割合で存在します。口説き落としてものにした女性の数をあたかも勲章の如く評価の対象にして、「俺は○○人もの女とやっている」と自慢するタイプの男です。弁護士に対し、こんなタイプのBを何とかしたいと相談されてもどうにもなりません。
○そもそもBの女狂いを何とかしたいなんて思うこと自体余計なお節介です。いくらBが女狂いあちこち迷惑をかけてもAには何の責任もありません。Bの女癖の悪さが事業に悪影響を与えるならBとの共同事業を見直すだけです。Bが、対象がAの妻なら兎も角、それ以外どの女に手を出そうがAがとやかく言うことではありません。
○先の友人E女に手を出したとしてもEが自らの意思でBの申し出に応じる以上他人がとやかく言うことではありません。婚約者D男にしてみれば辛いことですが、Eが妻子あるBの申し出に応じるようでは、D、Eの仲は所詮それだけのものですし、何よりBのような男になびく尻軽女なんてサッサと婚約解消した方が結果としてDのためです。
○結局、女狂いの友人を何とか更生させたいなんて余計なことは考えない方が良いでしょう。
遺伝子の所産である絶倫、好色はどうにもなりませんので。