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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

東京家庭裁判所講演録

家庭戦場論−敗北例と敗者の自覚・敗因分析の重要性

このように結婚とは、夫婦が互いに相手が一生一緒に生活したいとの気持ちを維持するようコントロールし合う心理戦争です。
相手が他に好きな人が出来た場合であろうと、単に嫌いになった場合であろうと、兎に角、自分は、一緒に生活したいのに、相手の気持ちが離れて一緒に生活したくない要するに別れたいと思われた方は、結婚という心理戦争の敗者です。

例え、自分が夫として妻として、誰の目にも非の打ち所がないほど努めてきて、相手が別れたいと思うことが我が儘と評価されるような場合であっても、敗者は敗者です。一緒に生活したいと言う気持ちの多くの部分は好き嫌いの感情であり、感情は、倫理感や理屈或いは経済力等の圧力では決して動きません。倫理感や理屈或いは経済力等の圧力で嫌々ながら結婚生活を続けている例はごまんとありますが、嫌で嫌でしょうがないと言う感情はそのままです。

■結婚の敗者の自覚の重要性
敗者となった場合の、最も重要な心構えは敗者の自覚です。
多くの場合、自分は夫或いは妻として十分に務めを果たしてきたと思っている人ほど敗北を認めたがりません。そして理不尽に去った相手を身勝手だ我が儘だと非難に終始します。主に離婚された夫の意見を取り上げたアンカップリング研究会編『妻に異議あり 男の離婚』1996年(青木書店)と言うに寄稿された男性の記事にこのような方が多く見受けられました。

■ここでアンカップリング通信の話
私自身敗者となり、しばらく敗者を自覚できなかったので、相手を非難したくなる気持ちは十分分かるつもりです。しかしいつまでも敗者の自覚が出来ないと、敗因分析が出来ません。

■敗因分析の重要性
敗者とシッカリ自覚することは冷静な敗因分析の態度に繋がります。いかなる理由であれ、自己の意志に反して相手の気持ちが離れた場合は、敗者であり、敗因分析が重要です。敗因分析が出来ないと同じ失敗を繰り返す可能性が強いからです。
相手に対し我が儘だ身勝手だと非難するより、何故自分は尽くしてきたのに相手の気持ちが離れていったのかについて冷静に振り返り、謙虚に反省する態度をもてるようになれば、一つの失敗は成功のもとになります。