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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

その他交通事故

交通事故専門?弁護士急増中

○平成24年6月時点から遡ること7年前の平成17年5月25日初稿「交通事故事件の弁護士奪還を」に、「昭和40年代前半までは交通事故事件が、弁護士業務のドル箱でした。」、示談代行付保険の出現により、それまでは「損害賠償金の支払を受けるためには被害者側で積極的に動かなければならず、動くためには弁護士に相談・依頼することが多かったものが、示談代行付保険出現により、保険会社担当社員が被害者のもとを訪れ示談代行を行うため、被害者側が積極的に動く必要がなくなった。」、そのため「殆どの交通事故事件がこの制度で弁護士関与無しで処理され、弁護士関与の場合と比較し相当程度低い賠償額で解決している実態が明らかになり」、これでは「弁護士関与の場合の解決賠償額は裁判基準であり、法に基づく本来の公平・適切な賠償額となりますが、保険会社基準での賠償額は、保険会社独自基準による賠償額であり、一般的には法に基づく本来の公平・適切な賠償額には至」らないもので、由々しき問題であると問題提起していました。

○そして平成17年7月11日初稿「交通事故事件熱血取組弁護士募集中」では、「この状況を打破して弁護士に交通事故事件を取り戻すことをテーマにするのが前記業革シンポの一部門ですが、そのためアンケートを採るべく全国の交通事故事件に熱意を持って取り組む弁護士をネットで探しているのですが、意外に交通事故事件を前面に打ち出している弁護士HPは少なく現在20数名程度しか見つかってません。」とも記載していました。

○そしてHPで見つかった20数名の弁護士にメールでアンケートをお願いしたところ、回答が戻ったのは僅かに3通だけで、内2名は正に交通事故事件しか扱わない交通事故事件専門弁護士で、残り1通は、一応、HPで交通事故専門をうたって集客を試みているが、殆ど交通事故事件はないとの寂しい回答結果でした。当時、仙台弁護士会の弁護士の交通事故事件受任状況を聞いてみると、保険会社の顧問弁護士は、加害者側が主ですで、合わせて代理店等からの紹介で交通事故被害者側事件を数多く扱っていますが、保険会社顧問以外の弁護士は殆ど交通事故事件は扱っていない例が大部分でした。

○要するに平成17年当時は、交通事故事件はまだ一般の弁護士にとって重要業務となっておらず、弁護士が関与する割合はまだまだ低かったと思われます。私自身に関して言えば、被害者側専門で、このHP記載の変遷を見ると、「(平成17年7月)現在、受任事件は自賠責保険請求事件2件、示談交渉事件1件、訴訟事件6件の合計9件」、「平成21年7月現在、交通事故事件を17件受任」、「平成22年は交通事故新件が28件入り、平成23年1月現在20数件の交通事故訴訟事件を抱え」と記載しているように、平成23年1月頃までは事件数が順調に増えていました。

○ところが、平成23年3月11日東日本大震災後、半年間は、殆ど事件が入らなくなり、交通事故事件も例外ではありませんでした。大震災が宮城県等被災地に与えた衝撃は甚大で、多くの方々は、裁判闘争どころではない心境で闘争心も萎え、紛争を抱えても弁護士相談する気力もしばらくの間失われたと思われます。交通事故事件に関しては、示談代行員が、ここぞとばかり活躍して、弱気になった被害者を説得して次々に示談を決めていったとの噂もあります。実際、震災後、半年間は、交通事故の相談すら、震災前に比較して激減しました。

○平成23年も晩秋以降は、徐々に交通事故事件相談も回復してきましたが、平成24年になっても大震災以前程には回復せず、手持ち交通事故事件数も、平成24年6月現在で20件を割って19件止まりです。この理由ですが、「交通事故 弁護士」のキーワードでGoogle検索をかけると回答の一端が判ります。300数十万の関連HPが出てきて、10数ページ目まで交通事故専門弁護士HPで埋まっています。当事務所HPは、数ヶ月前までは8ページ目辺りに出てきたのですが、現在は、15ページ過ぎても出てきません。各交通事故専門弁護士HPを開くと、相当お金をかけた見栄えの良い立派なサイトが目立ちます。当事務所も、交通事故専門の見栄えの良いHP作成を検討していましたが、これだけ専門HPが増えると、立派なHPを作成しても果たしてどれだけの集客効果があるだろうかとの疑問も感じております。

○私自身も含めてですが(^^;)、ポスト多重債務事件として、数多くの弁護士が交通事故事件に群がっていると言う感じです。「交通事故事件熱血取組弁護士募集中」なんて記載した時代があったことが信じられない状況となっており、被害者にとっては弁護士情報に溢れて良い時代に変わりつつあると評価して良いでしょう。しかし、溢れる情報に却って選択が困難になっている面もあるはずで、お客様に信頼される情報を如何にして発信するか、種々の観点から詳細な検討が必要な時代になりました。