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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

交通事故関連傷病等

頸椎捻挫治療概要−山口良兼整形外科医のまとめ

○「あなたの『むち打ち症』は治ります!―脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の決定的治療法」紹介を続けます。この書籍は、脳脊髄液減少症否定派の医師からは、相当叩かれている書籍ですが、「むち打ち症」の入門書としては最適のものです。勿論、脳脊髄液減少症による後遺障害獲得をめざす訴訟では、この書籍だけては到底、裁判官説得資料としては全く不十分ですが、この本に記載されている医師達が出版している専門書は、相当役立ちそうです。現在、これら専門書を含めて読み込み中ですが、後日、私の備忘録として紹介していきます。

○この「あなたの『むち打ち症』は治ります!―脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の決定的治療法」の篠永正道医師の治療を直接受けた方の交通事故訴訟を依頼されたことがあります。仙台からわざわざ熱海市の国際医療福祉大学附属熱海病院まで通院した理由は、篠永医師が、患者の訴えを良く聞いてくれるからとのことでした。待ち時間数時間、医師の診療時間2,3分が当たり前の医療現場ですが、篠永医師は最低15分程度は時間をとって症状を詳しく聴取し、全ての患者に同じ方針のため待ち時間も長く、診察を受ける時刻相当遅い時間になるとのことでした。

○この篠永医師の態度から、患者に対する真面目で真摯な姿勢を感じ取りましたが、この「あなたの『むち打ち症』は治ります!―脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の決定的治療法」執筆の協力医山口良兼医師、守山英二医師、さらにこの著作に記述された各コメントを作成した多くの医師達から、この姿勢を感じ取りました。従前、紹介した加茂淳整形外科医師に感じたと同じ姿勢です。「加茂淳整形外科医師著作で感激した記述紹介」に記述した姿勢、「臨床的証拠がないからといって、病気が存在しないという証拠にならない。患者の訴えは正しいものである。医学的にあり得ないと考えずに、訴えに耳を傾けること。患者は全身で24時間、疾病と対決している。」との自覚です。

○「頸椎捻挫治療の問題点−ある医者の感想に共感」で山口良兼医師の「頸椎捻挫治療の問題点」を紹介しましたが、同著作で同医師は「頚椎捻挫治療」を判りやすく概観しており、以下、その備忘録です。

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(1)一般の整形外科医が行う治療
・頚椎カラー固定

首の筋肉を衰えさせ、症状を長引かせる等賛否両論あるそうですが、頚椎の軽微な損傷が、様々な症状を引き起こすことを考えれば,初期の修復が可能な時期の固定は重要

・薬物療法
内服として消炎鎮痛薬、筋弛緩薬の投与、外用薬(湿布剤)。しびれに対するビタミンB12製剤、肩こり・不眠・だるさに対する抗不安薬、睡眠薬、症状が強い場合の抗うつ薬。
消炎鎮痛剤は、長期間使用は、自律神経失調、消化器不調、むくみなどの副作用で症状を複雑にするので控えるべき。抗不安薬、睡眠薬も注意が必要。

・漢方薬
治療現場では余り用いられていないが、西洋医学の一番苦手な自律神経失調症による消化器症状、むくみ増強等を避けるため全身調整作用のある漢方薬が効果を上げることも多い。

・理学療法
頚椎牽引は、受傷後2,3週経過して頚椎の初期炎症が落ち着いた時期に行うもので、頚椎椎間関節のストレッチングで血流を改善する。ただし、牽引時に痛みを訴える場合は,即中止すべき。
その他ホットパック、赤外線治療、SSP(低周波刺激療法)、レーザー治療等は、基本的には血流改善による筋疲労と痛み悪循環の除去が目的

・運動療法
頚椎捻挫後の姿勢不良の矯正

(2)治療経験豊富な整形外科医、あるいはペインクリニック医が行う治療
・神経ブロック療法

障害あるいは異常興奮状態の神経に局所麻酔やステロイド薬注入によってリセットして悪循環形成を防ぐ。

・星状神経ブロック
バレ・リュー症候群に対する治療法で、頸部、顔面、上肢疼痛疾患自律神経失調症状とりわけ交感神経亢進症状を緩和するため交感神経中枢の星状神経節に局所麻酔薬を注入するもの。交感神経亢進解放と血流改善により症状が緩和される。

・トリガーポイントブロック(加茂淳医師HPから転載)
@発痛物質の洗い流す。A運動神経をブロックして筋肉の強ばりを取る。B知覚神経をブロックして、痛みの信号が脳に到達しないようにする。C交感神経をブロックして血流を改善する。これらは一時押さえではなく、痛みの悪循環を遮断して治癒へと導くもの

・神経根ブロック
傷害された神経の一本に対して局所麻酔薬を注入して行われる治療法

・斜角筋間ブロック
腕神経叢の部位での炎症を抑えるための治療法

・椎間関節ブロック(ファセットブロック)

・椎間関節知覚枝電気熱凝固(ファセトリゾトミィ)

・頸部硬膜外ブロック

(3)医師以外が行って居る療法
・鍼灸、整体、カイロプロティック、按摩、マッサージ

(4)脳脊髄液減少症としての治療