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小松亀一法律事務所は、「交通事故」問題に熱心に取り組む法律事務所です。

示談代行制度

示談代行制度による交通事故示談契約と消費者契約法3

○「示談代行制度による交通事故示談契約と消費者契約法2」で、交通事故示談契約に消費者契約法を適用させるべき根拠を私なりに検討した結果を記載しました。最も重要なことは、交通事故示談契約に消費者契約法を適用させた場合の具体的効果即ち示談代行員に対し、具体的にどのような行為規制を課すべきかということであり、私なりの検討結果を、以下に記載します。これは私の全く個人的試案です。

1.消費者契約法第3条 の適用
 先ず交通事故示談契約に以下の規定が適用になります。
第3条(事業者及び消費者の努力)
 事業者は、消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮するとともに、消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供するよう努めなければならない。
2 消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。


2.契約内容の「明確かつ平易」化
 この規定を交通事故示談契約に適用すると「消費者契約(交通事故示談契約)の条項を定めるに当たっては、消費者(被害者)の権利義務その他の消費者契約の内容が消費者にとって明確かつ平易なものになるよう配慮す」すべきことになります。交通事故示談契約の内容は,極めてシンプルなものが多く、この契約内容の「明確かつ平易」化についてはさほど問題がなさそうです。しかし、契約内容を「明確」にするためには、示談契約書式が現在の全くシンプルな形式で良いかどうかは再検討する必要があるかも知れず、検討を継続します。

3.交通事故示談契約(消費者契約)の内容についての必要な情報を提供義務
 交通事故示談契約締結に当たり最も重要なことは、この契約内容に必要な情報の提供義務です。それは損害賠償算定基準として、保険会社独自の基準と裁判基準の二重の基準が存在するからです。この二重の基準問題が交通事故示談代行制度の最重要問題であり、この存在とその内容をどの程度必要情報として提供すべきかを慎重に検討する必要があります。

4.被害者(消費者)に提供すべき情報の具体的内容試案