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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

離婚要件

前訴確定後8ヶ月後提起二回目有責配偶者離婚請求認容例紹介3

○「前訴確定後8ヶ月後提起二回目有責配偶者離婚請求認容例紹介2」を続けます。
今回は,裁判所の判断結論部分です。

○当事務所では、有責配偶者から依頼されて離婚訴訟を提起したことが数回ありますが、いずれも
①長期の別居期間(当初20数年がその後8年で認められたケースもあり)、
②未成熟子の不存在(未成年ではないことに注意)、
③苛酷状況の不存在(離婚される方が特に経済的に過酷な状況にならないこと)

の3要件の内、②未成熟子の存在がネックとなって棄却されています。未成熟子が居ても認められている例がないか、判例を色々調査した結果、「有責配偶者の離婚請求を認めた大阪高裁判例紹介1」の他に、この平成15年1月31日那覇地裁沖縄支部判決(判タ1124号244頁)が大変参考になると感じました。
この判決に対する私の感想は、別コンテンツで述べます。

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(4) そこで、以上の事情を総合して検討する。
 前件はもともと原告が一方的に被告に対し愛情喪失を理由に離婚を迫ったものであって身勝手も甚だしく、相手方配偶者の意思に反してでも離婚を許容し得るものとする裁判離婚制度の存在意義ないし機能に照らしてもなお本件離婚請求を認容することに対して生じうる強い抵抗感を拭い去ることはできない。

 しかしながら、上記説示に係る前訴の口頭弁論終結後の事情からすると、本件は、前件当時以上におよそ回復の見込みの全くない状態にまで原告と被告との婚姻関係の形骸化が進行しているといわざるを得ず、本件離婚請求を棄却してみても、法をもってしては夫婦間の愛情の生成ないし受容を強制することはできない以上、何らの解決をみないまま形骸化した法律上の婚姻関係を放置して事態が推移していく可能性が高い。

 そうだとすると、そのような事態が推移していく中で、原告と被告との葛藤ないし緊張が継続又は増大していくであろうこともまた容易に推察できるところ、これらの葛藤ないし緊張が未成熟の子らに与える影響の重大さを考慮の外におくわけにはいかないというべきである。この点、前記認定事実によれば、離婚を是認しなければ父親である原告と子らが接点を持つこと自体、きわめて困難になりつつある様子も窺われるところである。このような子らの福祉の観点からすると、子らの幸せを願う父親としての原告に対し、夫婦の関係をひとまずおいた形であっても、子らとの間で新たな関係を形成する機会をできるだけ早期に与えることが是非とも必要である。

 そして、原告が一貫して提供している離婚の条件は、現在被告が居住するマンションの費用を原告が負担していることを併せ考えると、被告及び子らを著しく苛酷な状況に陥れるおそれは乏しく、その安定した履行を確保するためにも被告との離婚は不可欠なものと考えられる(原告が婚姻費用分担調停において定められた条項を履行するについて安定さを欠いていたのは、被告が離婚に応じる姿勢を見せながら、その後一転して拒絶する姿勢を見せたりしたことなどから、いわば先が全く見えない状態であったことによる焦燥感によるものといえなくもない。)。

 また、本件においては、原告が丙市において形成した内縁関係及びその女性との間の子の出生という新たな生活関係に対する配慮の必要性も生じているものといわざるを得ず、これが被告と未成熟子二名の精神的、社会的、経済的生活に対する配慮の必要性に対して当然に劣後すべきものとは即断し難いところである。この点、原告が被告に対し婚姻費用分担調停において定められた金額を下回る金額を送金していたにすぎない状況も窺われるものの、これは上記のとおりの事情及び不足額等に照らせば、厳しい非難に値する行為ということまではできない。

 他方、前訴判決後における被告の行動は、子らを思いやる母親の心情の顕れとして理解することはできるが、いずれも原告を困惑ないし翻弄させるものであったことは明らかであり、このことは子らから父親である原告をかえって遠ざける結果を招来しているというほかはない。

 以上のところからすると、前訴判決が信義則に照らして離婚を許容し得ないとした事情については、その口頭弁論終結後の事情によれば、いずれもその意味合いに変動があるものというべきであるから、本件については、信義則に照らしてなお容認され得ない特段の事情は存在せず、したがって、原告の本件請求は認容することが許されるというべきである。

(5) なお、未成年の子らの親権者は、以上に認定説示したところに照らせば、いずれも現在監護している被告に指定するのが相当であるし、養育費は原告の申出に係る金額は証拠に照らし相当であると認める。そして、養育費及び慰謝料額については、婚姻費用分担調停において合意された被告及び子らが居住するマンションについての費用負担及び処分禁止条項の遵守を前提に相当性を認め、上記説示のとおり離婚請求を是認するための要素として考慮したものであるから、原告においてこれらを誠実に履行することが不可欠であると思料する。

第4 結論
 以上のとおりであって、原告の本件請求を認容することとして主文のとおり判決する。
(裁判官・藤田広美)