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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

セクハラ

自分はセクハラは起こさないとの自信が危険

○弁護士の山田秀雄・菅谷貴子両氏共同著作の「弁護士が教えるセクハラ対策ルールブック」の紹介を続けます。同著冒頭のセクハラ危険度チェック表のチェック1は「自分は女性の扱い方が上手で部下の女性の信望もあり、セクハラを起こさない自信がある。」です。私自身は、「自分は女性の扱い方が上手」なんて自信は,全くなく、むしろ無骨で、扱いがまるで下手と自覚しておりますので、この点に関しては、問題ないと思っております。

○山田弁護士らは、著作を出す位ですから,相当数のセクハラ相談或いはセクハラ事件を取り扱っているものと思われますが、「セクハラ・トラブルを扱っていた感じるのは、自分はセクハラを起こさないと自信を持っている人が一番危険だということ」、「人間関係の構築に自信があり、同じ行為をしても他の人間はセクハラになっても自分は大丈夫と根拠なく思い込んでいるケースが案外多いのです。」と解説しています。

○この「同じ行為をしても他の人間はセクハラになっても自分は大丈夫と根拠なく思い込んでいるケース」が多いとのことで、この点は、いささか口が悪く、思ったことをそのままストレートに表現する傾向が、多少はある私の場合も,気をつけるべきかなと自覚しております(^^;)。ただ「セクハラの基本-相手が嫌がることの継続」に記載したとおり、女性は身体に触られることを特に嫌がると言うことを強く自覚しているため、他人が触った場合嫌がられるが,自分が触っても嫌がられないから大丈夫なんて自信は全くありません。

「セクハラの基本-相手が嫌がることの継続」に記載した触るとは、「腰や肩に手を回して触る」或いは「太ももをスカートの上から触る」ものだったと推測していましたが、数年前に初対面の女性の口にいきなりキスしても全く問題にされない人が居ると言う内容の本が出たので、そんな馬鹿なと、驚いて著作を購入して,内容を読んだことがあります。

○内容を見ると、冒頭から、えー、ホントにそんなことがあるかと、まさかと、疑問に感じる記述が多く、最初10数ページを読んで,積ん読になっていましたが、購入後、まもなくして、その「初対面の女性にいきなりキス」する方が、「キスされた女性達」から刑事告訴を受けて、強制わいせつ罪で逮捕され、執行猶予付き懲役刑を受けたとの報道があり、納得しました。

○この著作、その後、その内容も相当非難され、当然絶版となっています。これは極端な例としても、男性、女性と目が合うと、女性はなんか嫌らしい人だとか、面白い顔してるなんて蔑んで見ているのに、男性は自分に気があり、気をひこうとして見ているのだと大いなる誤解する例が多いようです。自覚すべきでしょう。その著作は,セクハラ反面教師として価値のあるかも知れず、改めて読み直そうかと思っております。