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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

養育費・認知

離婚後養育料支払を受ける心構えについて

○以下、当事務所で扱う良くあるケースをモデルにしたフィクションです。
 Aさんは、6年前に当時7歳(小学1年)と5歳と子供を抱えながらも、夫や同居する夫の両親との相性が悪く、Aさんが強引に家を飛び出し、夫Bさんは、自分も悪いところを反省しているので何とか家に戻ってやり直して欲しいと懇請しましたが、Aさんはこれを振り切って離婚調停を申立て、Bさんが離婚を拒否し調停不調に終わりました。

○その後、双方弁護士をつけて離婚訴訟となり、、最終的には、養育料として子供一人につき月額3万円とし、月に1回を目処に面接交渉を認めるとの条件で訴訟上の和解で離婚しました。当時、Aさんは年収200万円程度の事務職についており、Bさんは建設会社に勤務して年収350万円位でした。

○離婚後5年目までは養育料は約束通り支払われていましたが、6年目に入って遅れがちとなり、6月から3ヶ月間全く支払をしないため、9月初め離婚調停の代理人弁護士に依頼して速やかに遅れ分養育料を支払わないと給料差押をしますとの催告をすると、Bさんのお母さんが代理人弁護士事務所に電話連絡をし、息子Bさんの給料が今年に入って下がり、住宅ローン支払もあり、お金がなくて支払えないと伝えてきました。

○そこでAさんはBさんの給料差押手続を取ると、Bさんは弁護士をつけず本人で家庭裁判所に事情変更に基づく養育料減免調停を申し立て、Aさんも弁護士はつけず調停期日に出頭することになり、Aさんは弁護士に調停での対応について相談に来ました。子供達も大きくなり教育費も増えているところ、母子手当も4万円から3万円に減額になり、大変厳しいところ、養育費を減らされたのでは大変だと訴えます。

○しかしBさんの年収は離婚当時の350万円から勤務会社が変わり250万円に減額になっているとのことで、Aさんの年収200万円を考慮しての現在家庭裁判所で使用されている養育費算定表金額は、表3養育費子供2人表(第1子及び第2子0〜14歳)によると2〜4万円となっており、現在の6万円は高すぎることになります。

○Aさんの話では、Bさんは2年目位までは子供達と面会しましたが、3年目位からは連絡もなくなり、子供達も父親に会いたがらないので、ここ4年位父子の面会はないとのことでしたが、Bさんのお母さんの話ではAさんに面会の連絡をしても面倒くさがって子供達に会わせてくれないと言い、双方の言い分が異なっていました。

○Bさんにしてみれば養育費支払で生活が困窮し再婚を考える余裕もなく子供達にも会わせて貰えないとなれば何のため養育費を支払っているのか疑問に思って当然です。弁護士はAさんに対し、いままで5年間約束通り養育費を支払ってくれたこと、父が子供達の生活を支えていることを子供達にキチンと伝えていますかと尋ねるとBさんは伝えていないと言います。

○弁護士は、「離婚成立に当たり−ある審判官の思いやり溢れた言葉に感激」に記載した審判官の「最後にお母さんに一番大事なお願いですが、お父さんから養育料を受け取るのですから、決して、自分一人だけで子供を育てているとは思わないで下さい。子供が物心ついたら、お父さんが養育料をキチンと支払って養育してくれていること、お父さんはいつも君のことを思っていることを、決して、お父さんに見捨てられてはいないとことを伝え、子供とお父さんの面会には出来るだけ協力して下さい。」との言葉をシッカリと胸に刻んで、Bさんに対する感謝の念を持って調停に望むことが一番大事ですとアドバイスしました。