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小松亀一法律事務所は、「男女問題」に熱心に取り組む法律事務所です。

不倫問題

夫がかまってくれない寂しさでの不倫のつけ

○久しぶりに男女問題で、妻の不倫に関する話題です。ここ数年、不倫に関する相談は増えており、今後益々増え続けそうな雰囲気です。既に終わった過去の不倫関係について相手から追求された場合、どのように対処すべきか、ときとして難しい状況になります。

○当事務所で実際に受けた相談事案を組み合わせてアレンジした以下の設例について、夫からの離婚請求は認められるでしょうか。これは、その人の人生観・世界観によって、考え方が分かれるでしょうが、私の考えは後日述べます。

・妻A(現在50歳)は、夫B(現在55歳)が単身赴任を長く続け、顔を合わせる機会が少ない上に、たまに帰ってきても2人の子供の子育ての厳しさ・苦労などについて優しくいたわってくれることがなく、そのような夫に不満を抱き、たまたま優しくしてくれた職場の妻帯者の同僚C(現在45歳)が好きになり、不倫関係を2年ほど継続して、お互いに家庭を壊したくないとのことで10年前に別れたが、今でも時々メールの遣り取りをして近況などを報告し合っていた。

・夫が長い単身赴任を終えて自宅に戻り、妻の行動に関心を持つようになり、妻のパソコンに保管されていた10年前の不倫関係にあった相手からの現在のメールを見て男女関係にあったのではとの不審を抱き、妻に対し、連日、その相手との関係を繰り返し詰問した。しかし、妻は単なる友人関係であり、男女関係は全くなかったと強く否定し続けた。

・あるとき夫が、涙を流しながら、たとえ不倫があっても決して責めず、全て許すので、どうか本当のことを言って欲しいと訴えてきた。夫に対しウソを突き通している自分に苦しさも感じていた妻は、疑惑に苦み涙まで流している夫に同情して、また「決して責めず、全てを許す」と言う夫の言葉を信じ、全てを告白したら、全て許してくれるだろうと思い、Cのと2年間の関係を全て告白した。

・これに対し夫は、当初は呆然とした状態となって黙っていたが、翌日から態度がガラリと変わって冷たくなり、離婚を要求し始めた。慰謝料を請求したいところだが、何も請求しないので、兎に角、早く離婚届に署名して出て行って欲しいの一点張りになった。財産としては夫名義の居宅と多少の預貯金がある。

・妻は、今は、不倫相手と男女関係は完全に切っており、夫と離婚したくない。また2人の子供達も独立している。自分も職業を持ち、安定した収入を得ているが、今後、再婚相手を見つける自信もなく、今更1人になるのは寂しいので、何とか夫とやり直したいと思っているが、どのようにしたらよいかと、真剣に訴えている。